Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
どうですか、約束してくれますね?」と私は図に乗って強く念を押した。
津田氏はしぶしぶ首肯いて、
「東北人は、おれあ、苦手だ。」と小声で言った。
翌る日、私は藤野先生の研究室に行き、事情をかいつまんで報告して、
「津田さんも、非常に憤慨して、先生のお指図を待ち何かお役に立ちたいと言っています。」と津田氏の心懐を美しく語り伝え、もちろん矢島の名前などもいっさい出さず、ただ、こんな誤解を周さんのために消滅して下さるようにとお願いした。
「消滅させるも何も、」と先生は案外にのんきな笑顔で、「周君の解剖学は落第点や。他の学科の点数がよかったから、まあ、あれだけの成績を収めたのです。周君は、あれは、何番だったかしら。」
「さあ、六十番くらいだったでしょうか。」私たちが一学年から二学年に進む時には、ばかに落第生が多かった。同級生の三分の一、約五十人が落第の憂目に遭い、私も津田氏も共に八、九十番という危いところでやっと及第したのであって、異国の周さんが六十番というのは、秀才でしかも勉強家の周さんにとっては当然の成績のように私たちには思われるのだが、しかし、周さんをよく知らない者には、その六十番は、何だか怪しいもののように感ぜられたかも知れない。