Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
忠告してくれて、自分は笑いながら、そんなことは自分はちっとも気にしていない、と言っても、いやいや君は遠慮して嘘をついているのだろう、支那の人は何よりも体面ということを重んずるということだ、囚人と同じめしを食っても気にならんというのは嘘でしょう、早くこの不吉な宿を引上げて僕の下宿へ来たまえ、と執拗にすすめる。ひどくまじめな顔をして、そんなことを言うのだが、あれで内心は自分をからかっているのかも知れない。どうだか、わかったものではないが、とにかく友の好意を無下にしりぞけて怒られてもつまらないから、自分は仕方なく、その津田さんの荒町の下宿に引越した。こんどは監獄からは遠くなったけれども、食事が以前のようにいいとは言えない。毎朝のお膳に、なまの里芋を擂りつぶしてどろりとさせたものが出て、これにはどうにも箸をつけかねて非常に困惑したが、れいの津田さんは、或る朝、自分の部屋をのぞいて、それをなぜたべないのかと、すぐに見とがめて、それはなかなか養分の多いものだから必ずたべなければいけない、それを、おみおつけにまぜて充分に掻きまわすと、おいしいとろろ汁が出来上るから、そのとろろ汁をごはんにかけて食べるといい、と教えてくれて、それから自分は毎朝、おみおつけにまぜて掻きまわしてごはんにかけてたべなければならなくなった。