Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
と名乗りかけると、
「いや知っている。田中卓。H中学出身。君はクラスの注意人物なんだ。学校にさっぱり出て来ないじゃないか。」
私は、むっとした。学校に出ないからとて、「注意人物」とは大袈裟すぎる。失敬である。私は黙っていた。
「それは冗談だが、」と相手は笑って、「君の事は、きのう、周さんからくわしく聞いた。君たちは、松島の旅館で一晩、何だか眠らずに論じ合ったそうじゃないか。周さんは、おかげで風邪をひいて寝込んでしまった。あのひとには、ちょっと Lunge の傾向があるんだから、そんな徹夜なんて乱暴な事をさせちゃいけない。」
その時、私はふいと思い出した。あの夜、周さんが、或る物好きな学生の過度の親切には閉口している、と言っていたが、その学生の名は、たしか津田といったような気がする。なあんだ、それではあの、とろろ汁の指導者が、この目前の食通氏であったのか。
「熱があるのですか。」
「うん。たいした事もないらしいが、あまり丈夫な体質でもないようだからね。まあ、二、三日は学校を休ませるつもりだ。どうも、外国人は、世話が焼けるよ。ところで、鳥は、水たきがいいかね。