Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
周さんは、僕なんかより、ずっと高い理想をもって、この仙台にやって来たのです。周さんは、お父さんの病気のため、十三の時から三年間、毎日毎日、質屋と薬屋の間を走りまわって暮したのです。そうして、臨終のお父さんを喉が破れるほど呼びつづけて、それでも、お父さんは、死んじゃったんです。その時の、自分の叫びつづけた声が、いまでも耳について、離れないと言っているんです。だから、周さんは、支那の杉田玄白になって、支那の不仕合せな病人を救ってやりたいと言っているのです。それを、それだのに、周さんたちは革命思想の急先鋒だから、一面親切、一面監視だの、複雑微妙な外交手腕だの、そんな事、あんまりだと思うんです。あんまりです。周さんは、本当に青年らしい高い理想を持っているんです。青年は、理想を持っていなければ、いけないと思います。そうして、だから、青年は、理想を、理想というものだけを、――」言いかけて、立ったまま泣いてしまった。
「革命思想。」と先生は、ひとりごとのように低く言って、しばらく黙って居られた。やがて窓の方を見ながら、「私の知っている家で、兄は百姓、次男は司法官、末弟は、これは変り者で、役者をしている、そんな家があるのです。