Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
さんじのあと
惨事のあと
素木 しづ
Lesen Sie 惨事のあと (さんじのあと) von 素木 しづ (しらきしづ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.258 Zeichen · 23 Bildschirme
それに家の前には、小さな流れが走っていて、飲料水も肥桶も、また大根も流れの下の方で洗うという、非常に便利な所であった。
台所の板の間からつゞいて長い縁先に腰をおろして、万吉はいつもこの嫁さんを捕えてはいろ/\の事を話しかけるのであった。亭主がいようといまいと、万吉にはさほど苦にはならなかった。
『うちの、かいべつには虫が尠い。』
と、一人言しながら前の一寸した花などを作ってある所に、五つうねばかりのキャベツがある、そのキャベツの上に白い蝶が動いているのを見乍ら、嫁さんの顔をじっと見ていた。嫁さんは、一寸笑ったきり何かの仕事に余念がなかった。万吉は、いつもこんなように別に大した話しという話しもせずに帰って行く。
亭主は、大抵外を出歩いていた。幾分のろまなような亭主は、馬をつれて四五里もある村へ出かけて、馬を交換してみたり、一寸した土地の売買に手出しをしたりして居たが、今度も家の方は嫁さんと老人にまかしたきり、天塩の海岸の方に何の目的もなく出かけて行って、まだ手紙の一本もよこさない。
万吉が凶行を敢てしたのは、その留守である。
其日は、朝早くから万吉が遊びにやって来た。