Japanische Klassiker mit Furigana
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あいとにんしきとのしゅっぱつ
愛と認識との出発
倉田 百三
Lesen Sie 愛と認識との出発 (あいとにんしきとのしゅっぱつ) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.420 Zeichen · 129 Bildschirme
この問題に奥深く底の底まで頭を突ッ込むとき、そこに必ず私らの全身を顫動せしめるほどの価値に触れることができるだろうと思った。
その頃から私は哲学を私の生活から放さなかった。私は確乎として動かざるの上に私の生活を築きあげたいと思っていた。かくて私は哲学的に自他の生命の交渉、関係について考えてみなければならなかった。
私は生きている。私はこれほど確かな事実はないと思った。自己の存在はただちに内より直観できる。私はこれを疑うことはできなかった。しかしながら他人の存在が私にとっていかばかり確実であろうか。この形而上学の大問題は実際私の手に余ったにもかかわらず、私はどうかして考えを纏めなければならなかった。私はここに認識論の煩瑣な理論を書くことを欲しないが、とにかくその頃の私は唯心論の底に心を潜ませていた。私はどう思っても主観の Vorstellung としてのほかは他人の存在を認めることができなかった。私にとっては他人の存在は影のごとく淡きものにすぎなくなった。とても自己存在の確認とは比較にならない力の乏しいものになってしまった。私はやや大なる期待をもってあの人格的唯心論(personal idealism)をも研究したのであるが、その他われの存在を設定する過程にどうしても首肯することができなかった。