Japanische Klassiker mit Furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
大げさにいえば、その快感は、ドスをもって殺す相手をさがしながら、雑沓の中をうろついている根無し草の愚連隊の、周囲の人間どもへの愛情と恐怖の交錯する戦慄みたいなものだったかもしれない。――たぶん、私はその戦慄を好んだのだ。うきうきして自分の「狂人」をさらに実感しようとして、私は調子にのり、掛声を大きくした。大声を出しすぎ、若者たちに殴られた夜もあった。
あれは都心での第何回目かのジャム・セッション(第一回目だったかもしれない)のときで、あまり広くないホールには最初から熱気がこもっていた。深夜のそのホールの前、光のあふれたアスファルトの路上には色シャツに細いズボンの若者たちが上気したざわめきの渦をつくり、のっぽの黒人たちが、点々と、かえっておとなしく青黒いトーテム・ポールのように建物の蔭に突っ立ち、日本の若者たちのはしゃぎぶりを、目玉だけを動かして見ていた。
予定はたしか午前零時から五時までだった。ホールの廊下には、ハイボール、ビール、焼鳥、おにぎり、サンドイッチ、等々と書かれた紙が貼られ、それらの券が飛ぶように売れていた。私もハイボールの券を四、五枚買い、すぐ一枚を使った。