Japanische Klassiker mit Furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
彼は呟いた。「明日、返してやる」自分は自分だけでひきうけたい。自分という負担へのだれの手助けもほしくなかった。ぼくのほしいのはむしろ孤独を確実にする対象、つまりたんなる取引き相手か敵でしかないのだと彼は思った。
山の上の大学では、同級の料理屋の伜が、いい商売相手だった。それと、ある保守政党の幹部の息子。彼はいつも外套の内ポケットに三万円ほどの百円札を突っこんでいた。
信二は彼らに、一カートンあたり五百円の利益で煙草を売りつけるのに成功した。ひどく自分が抜け目ない男におもえる。自分の冷酷が充分に信じられるようなその感じがこころよかった。信二は熱心に冷血を希望していた。
「そうだ、僕らは組織をもっと拡大しなくちゃならないんだ」
「うん、もうすぐやつらは学内細胞の存在を正式に禁止するよ、それはわかっている」
空のボストン・バッグをもち屋上にあがると、口に泡をためた学生が熱っぽい議論をかわしている。信二は彼らとの無縁をかんじた。そんなことはどうでもよい、一人一人がそれぞれ自分だけを幸福にしようとする、その努力以上のどんな責任の能力をあたえられているというのか。