Japanische Klassiker mit Furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
とにかく、私のいちばん燃えたのはそんなときだ。手を縛られ、頬にも布を喰いこませた女の中に入りながら、私は、そうなのだ、これがおれだ、これが本物のおれだ、とも思った。おれは、お前を愛してなんかいない。一人の愚連隊、一人の狂人として暴行しているだけだ。お前がお前だからじゃない。一箇のやわらかい「物」だからだ、おれはお前を「物」として使用しているだけだ。これがおれだ。
ときには、私は彼女をそのまま放置して仕事に戻った。そして女の存在を忘れた。一段落してふと気づくと、女はまだ訴えるような目で私を眺めていた。その目で笑いかけた。
九月いっぱいで私はプロダクションとの契約を更改した。新聞小説の脚色が終ったのだ。が、プロダクション側は私をはなさず、つづいて次の新聞小説の脚色を依頼してきた。黙っていると、脚本料を二割五分ふやした。私は諒承した。
だが、つまりは一週の休みもなく、仕事をつづけねばならなかった。私は週末に下宿に通う習慣をくりかえし、女も土曜から日曜にかけての一泊をやめなかった。私はもう、あまりジャズを聞きには行かなかったが、女がいくらブツブツいっても、けっして他の日には逢わず、また、ママゴトのような即席の夜食のほか、女と卓袱台で向いあって食事をすることはことわりつづけた。