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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

「紳士協定だから安心している」と母はいっても、またもしその社長が死んだり変心したりしたなら、法律的にも私たちは追い出され、母や私たちは僅かな金を握ったまま、うろうろと行き場所をもとめねばならなくなる。それでも文句をいえなくなる。

私は呆れたが、すべては後の祭りだった。「終身そこにいるかぎり無料」というのは、母には自分の安心のための最大の魅力だったのだろう。「結婚結婚って、女の子二人のその費用だって握ってなくちゃ」と、母は見当ちがいのことをいった。が、すでに捺印された証書が交わされ、母の決心を変えさせることもできないのだ。私たちは――といっても主として私が発言し、皆はその私を納得させようとしただけだったが――その契約の危険をめぐっての会話を毎夜のようにとりかわした。最後に、姉がいった。「だって、いずれにせよ、家も土地も、ぜんぶお父さまとお母さまが残したんだし、いままでお母さまがそれを一人でもちこたえてきたんじゃない? だからお母さまが、お母さまの勝手にしていいんだと思うわ」

私は沈黙し、やむをえないと思った。でも、いずれ母に従わねばならないにしても、いかにも不安すぎた。