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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

……つまり私はそういう日々の中で、自分がそれに耐えるともなく耐えていられるのは、自分の中にどこか死んだ部分、無感覚になりきった部分があるからだと信じていた。その部分は、これからも拡がるだろう。しかし人間というやつは死なない。火傷が皮膚の六十パーセントの面積を越えたときのようには、死なない。生きることができる。政治にも愛にも力関係にも、夢想にすら無感覚で、なおかつ人間は生きることができるし、げんに生きているのだ。

私は、恐怖に賭けるような、一種の動物実験のような気分で、私の関心をそんな「自分」にだけ注いでいた。それは、自分が、疲れはしても血は流さない、一つの堅固な歪んだ観念になりきること、一つの責任そのものになりきることだとも思えた。また、私の考えでは平凡人の一生とはそんなもので、その点、これは私のごく自然な、対社会への適応のかたちだといえなくもなかったのだ。

私はのん気に暮していた。電話の友人が呆れるほど、のん気に、ほがらかに、ひっそりと平穏に暮していた。いま思えば、そのころの私の関心は、じつは私という一個のファナティスムの正体を知ることだった、という気もする。