Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

僕が『物』しか愛せないのを知っていたから。そして僕の狂気が明瞭になり、家族が迷惑するのがこわかった。自分が原因であるのがいやだった。兇器としての自分を僕はだから殺したかった。

僕の正義は、だから僕が消滅してしまうことだった。自分にしか関心がないというのは、自分の消し方にしか熱心になれないのと同じなのだ。でも、いま僕はすべての他人もまた異常なのを、確信できる気がする。僕はつまり『みんなと同じ』なのだ。

僕の異常への信仰は狂い、混乱した。滑稽な二十九歳の幼児。僕はあわて、自分の主体を守り抜くことを、それまでつねに他人を正常と見、他人を権威としてきた自分と重ねようとしてみた。そして、ある日常を発見した。僕は、あの女を愛してはいない。でも僕は僕なりに、その日常への愛でそれを代行できるように思う。……」

……くだらない、嘘をつけ、と私はふたたび思った。これは、愛がなくても他人と生きていけるというタワ言にすぎないのだ。そのくせ、あのとき、たしかにおれはあの女を愛していた。……バカめ。でも、おれはもう「自分」にばかり関心をもっては生きられない。それがひとつも確実なものではなく、確実なものは関係とか日常とかいうものの中にあって、もはや自分の「不安」