Japanische Klassiker mit Furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
「あのお母さんは?」
「無理に寝るように、って、みんなでつれて行った」
「明日があるんだからな」佐藤はグラスを口にはこんだ。動作が、そうとうに酔ったことを示している。新しいウイスキィ壜も残りはすくなかった。
遠くで柱時計が鳴り、腕時計をみると二時半だった。「おい、久保」と、佐藤はすこしわざとらしく、舌をもつれさせていった。「なんだよ」私は仕方なくこたえた。「保井はね、マリと喧嘩したことがないっていうんだ。あんた、どう思うね」
私は警戒した。佐藤はなにかをいいたがっている、と私は思った。やつは、なにかをつかんでいる。マリの自殺について、おれのしらないことを握っている。
彼の口調で、佐藤がそんなに酔っていないのを私は見抜いていた。だが、私はマリのことについては、なにもいいたくはなかったし、なにも聞きたくはなかった。
「ねえ、久保、どう思うね」くりかえす佐藤に、私は巻きこもうとする彼の気配をみた、私はそれに反撥した。
「いいじゃないかどうでも。本人がそういうのなら、そうにしとけよ」
「ばか、おれは妻帯者です。お前さんみたいな独身ものとはちがう。喧嘩しない夫婦がどこにあるかね」