Japanische Klassiker mit Furigana
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あいよあい
愛よ、愛
岡本 かの子
Lesen Sie 愛よ、愛 (あいよあい) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.138 Zeichen · 99 Bildschirme
でなければ、小説なんか書きなさいますなよ。
かの女の息子の手紙である。今、仏蘭西巴里から着いたものである。朝の散歩に、主人逸作といつものように出掛けようとして居る処へ裏口から受け取った書生が、かの女の手に渡した。
逸作はもう、玄関に出て駒下駄を穿いて居たのである。其処へ出合いがしらに来合わせた誰かと、玄関の扉を開けた処で話し声をぼそぼそ立てて居た。
かの女は、まことに、息子に小児性と呼ばれた程あって、小児の如く堪え性が無かった。
主人逸作が待って居そうでもあったが、ひとと話をして居るのを好いことにして、息子の手紙の封筒を破った。そして今のような文面にいきなり打突かった。
だが、かの女としては、それが息子の手紙でさえあれば、何でも好かった。小言であろうと、ねだりであろうと、(だが、甘えの時は無かった。息子は二十三歳で、十代の時自分を生んだ母の、まして小児性を心得て居て、甘えるどころではなくて、母の甘えに逢っては叱ったり指導したりする役だった。普通生活には少しだらしなかったが、本当は感情的で頭の鋭い正直な男子だった。)そしてやっぱり一人息子にぞっこんな主人逸作への良き見舞品となる息子の手紙は、いつも彼女は自分が先きに破るのだった。