Japanische Klassiker mit Furigana
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あいしょへき
愛書癖
辰野 隆
Lesen Sie 愛書癖 (あいしょへき) von 辰野 隆 (たつのゆたか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.404 Zeichen · 23 Bildschirme
が、今思い出すと、矢張り買って置いてもよかった。風来山人の『放屁論』などと読み較べたら、今頃は比較放屁学の学位論文位は提出していたかも知れない。
然し斯んな卑近な珍本は買っても買わなくてもいいが、どうかすると、河岸の箱にも、途方もない稀覯書が紛れ込んでいる事がある。歴史家のガブリエル・アノトーが嘗て、河岸の箱を漁っている中に、偶然、大ナポレオンの署名のあるシーザーの『ゴール遠征記』を発見して有頂天になったと云う有名な話がある。その署名がボナパルトとあったか、それとも又ブオナパルテとイタリア流に書いてあったか、其処迄は聞もらしたが兎に角、五年に一度でも、十年に一度でも、斯んな掘出物があるから、愛書家が血眼になったり、蚤取眼になったり、鵜の目鷹の目になったりするのも無理ではない。
愛書家のことを一般にビブリオフィルと呼んでいるが、此の愛書家の癖が高じると、ビブリオマーヌ即愛書狂となる。其の愛書狂の中にも色々種類があって、書籍であれば何でも有難がる奴がある。つまり書籍の偶像崇拝家で、書物さえ見れば矢鱈に御辞儀をしたり合掌したりする、ビブリオラートルと云う連中である。