Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがじんせいかん

我が人生観

坂口 安吾

Lesen Sie 我が人生観 (わがじんせいかん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.737 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

注射で痛みをとめてもらうと、眠ってしまうし、目が覚めたあとでは吐き苦しんで、新聞小説が書けなくなる。仕方がないから、売薬で激痛を殺しながら、仕事をつづけた。これが、よくなかった。

朝方、新聞小説一回分書きあげると、胃の痛みは一応おさまったように見えるが、実は大爆発のあとの火山と同じようで、表面に噴煙は立たないが、火口の底に熔岩がプスプス紋状をえがいてガスをふいているのに似ている。まったく火山をだいでいるのと異ならない。薄氷をふむ思いである。身体の屈折によほど気をつけないと、いきなりグッと痛んできそうで、それ以上机に向っていられないから、新潮の原稿はカンベンしてもらうことにしようと、東京へ使いをやった。

しかし、カンベンしてくれない。それから三日すぎて、今もって、胃に火山をだいている。腰の屈折のたびに薄氷をふむ思いで、もちろん酒はのめない。一滴の水をのんでも、その結果をジッとまつような不安な気分が、自然身についている。酒をのまないと眠れないから、書物を二三十冊とりよせて、三日間、ねて本をよんでいた。だから、目が痛い。この町は夜間十一時ごろまで電燈が暗くて、やりきれない。