Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
年若い友達はみな私の庭掃きや、水撒きを根気好く眺め、仕事の済むまで残酷に手伝ってはくれなかった。手伝おうかと言っても独りでやることが判っているので、決してお愛想にもその事は言葉に漏らさなかった。庭をいじっている間は、その事は人に見られたくないし、人の眼の前でくるくる動くのが客の視線が邪魔になってつらかった。そんな時、立原が庭に現われると私は黙って、年若いために友達をないがしろにして、打っちゃらかしにして庭掃きを急いだ。立原は例の木の椅子に腰をおろして、眼をつむって庭仕事の済むのを待ち、私はこの人はどうしてこう睡いのであろうと、白皙の美青年の半顔が夏の日の反射で、いよいよ白皙の美をほしいままにしているのを眺めた。彼は酷く痩せていたので、ズボンの膝から上もぺちゃんこになり、足のすがたが痛々しく眼に映った。
「センセイ」
と、或る日、立原は更まって用事ありげな、不安の面持でいった。
「何や。」
「詩の原稿のストックがありませんか、こんど雑誌を出すのにほしいんですが。」
私は原稿のストックという言葉に、はじめて腹を立てて呶鳴った。
「君じゃあるまいし、凡そ書きための原稿なぞ一枚だってあるものか、ばかも秤りにかけてから言え。