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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

ないし、父の城を陥落させることも並々のわざでないので、たのむのは兄貴だけだと言った。信夫はしかし困難な名門のごたごたしたところを破ることも、この少女を貰うことではすでに心が決まっていて、大して父母の城なぞは頭に置いていない、頭に置いていることはこの次ぎの土曜日には何処で逢って、どういう事を話そうかということ、どういうふうに彼女の美しさに触れるかという二つのことがらだけであった。

私はこういう問題ではかんたんに、突きこんで言うことをしなかった。

「離れで逢えばいいじゃないか、連れて来て一日寝ころんで話をすれば、何もほかの処にいるような遠慮もいらない。」

「仕事のお邪魔になりませんか。」

「離れできみたちが逢って居れば、僕にあぶらをさしてくれるようなものだ。」

「あぶらですか、あはは、あぶらは好いですね、じゃ、連れて来てもいいんですね。」

「構うものか、ここには邪魔者はいない。」

「それほどの美人じゃないから、期待しないで下さい、あなたは期待しすぎるんだ。」

信夫は一つの警戒を彼女のためにそういい、自分の大せつな人を他人に見せてやるという大きい愉快もあった。実際、自分の愛人を友人とか先輩に見せるということには、よくよくの信頼のある人でないと、そうは、したくないものであった。