Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
あれから十七、八年になり、間もなく結婚されたように聞いていたが、幸せでいられることを私は疑わない。私はつねに男であるために幸せは其処らを掻き廻しても、捜り当てられる気はしているが、女の人にも何が何でも幸せだけは捜り出して貰わねばならないと考えている。……
私は戦後、暮鳥の詩集が出版されるたびに、乞われて解説序跋の類を四たびも書いていたが、今度の小伝で五度それを繰り返している。一人の詩人のために五度も序跋を書くということは稀れであり、私自身に取っても初めてのことであった。因縁も深いが暮鳥の著書にそれを加えるに、適任者がないためであろうと思うた。昭和三年の暮鳥詩集(厚生閣書店)には、「暮鳥は牧師の聖職に従うてゐたが、寧ろ暮鳥は芸術的宗教を奉じた側の人だつた。彼が牧師を辞したことは文学の中にあるもので、宗教にまさる真実を発見したためであらう。彼の終始した宗教、その耶蘇教的偽瞞の中にすら多くの真実は最後まで彼をとらへ、彼を憂鬱にしたことも実際であつた。宗教をいとうた彼の生活も所詮文学表現の上では常に一つの思想としての宗教であり、目標としてゐた。だから彼の生涯の中で絶えず明滅されたこれらの灯しびは、或ひは点り、或ひは消え失せ、或ひは迷はせ、或ひは混雑を来らしてゐた。