Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
我が白秋はおなじ独房の彼女が運動場に行くすがたを見てうたった。そのころの囚人さんはあみがさをかむっていた。いまもあみがさをかむっているらしい。
編笠をすこしかたむけよき君は
なほ紅き花に見入るなりけり
白秋はよく詩歌の雑誌を創刊したり廃刊したりした。一種のこの時代のはやりのようなものであったが、後進にみちをひらくためには雑誌のちからが必要だったせいもある。
大正二年巡礼詩社を興したが、これは詩と歌の添削がおもだったらしい。同三年に『地上巡礼』を出し、続刊詩集『真珠抄』『白金の独楽』などを出版した。この間に小笠原島に旅行したが、美女松下俊子さんとは間もなく別れた。派手好みで、しみじみした家庭のことの出来ない彼女は、美所だけを白秋にあたえて去った。
大正四年阿蘭陀書房経営、令弟鉄雄と共同、文芸雑誌『ARS』を刊行、七号で廃刊された。(この弟さんの北原鉄雄はそれ以来四十年間、出版事業と戦争をした人である。子規全集、白秋全集〔前期〕の美本を刊行、つぶれては起き直り、起き直ってはつぶれ仕事はやれるだけやった、出版界の豪傑塙団右衛門であった。これほど出版事業と戦った人はなく、これほど人間くさく仕事に打ち込んだ人はいない、昭和三十二年惜しくも亡くなられた。