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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

ボンヤリと月の光が落ちて来た。

巨人の衣の裾が天上からうつかりづつて居る様に

貧しい家の屋根の上に

皺をつくつてだらりと垂れて居た。

詩話会同人と伊豆に旅行した時、私は下田の町の旅館に皆が夕方散歩に出掛けた後、一人で横臥して夜の町を見には行かなかった。ひどく疲れていたのと、そんな折に一人で残って酒を飲むことが、たまにしかしない旅行なので嬉しかったのである。すると、まだ散歩するとも、しないとも判然しない千家元麿も部屋にのこっていて、行こうか行くまいかと迷うているらしかった。千家はふだんの不摂生のためか、これも酷く疲労して皆の勢いに押されていても、快活に行動を倶にしていられないように見えた。からだ全体ががたがたに見える程、彼は肋骨の見える胸に手をやって横になっていた。よほど疲れているらしいと私は思い、君は散歩に行かないのかと聞くと、気がすすまないと言って動かなかった。たいがい、皆が賑かに出掛けるのを見ると、それに尾いて行かないことのない千家が横臥しているのは、山越えの自動車の動揺が余程応えたらしく見えた。

私は一人の酒からはなれ、千家にも杯をすすめていた。