Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
これは性欲というものの美観念がつくり出す、瞬間の詩の境のようなものかも知れないと思った。もひとつは夫婦というものがこの僅かな時間に、もどかしげに愛しているということを余りにはっきり感じさせるものであることも、知らねばならないと思った。
静子夫人は帰って来た。知らぬ沢山の男の中から出て来た夫人は、はなやかにぴちぴちした弾みを見せていた。
「早かったね。」
「帰ることばかり気にしていたものですから、お食事もおちついていただいていられない気がしたわ。」
「では何かおあがり。」
「わたくしの顔をいつもじろじろ見ている人が今日も来ていたわ、あの方誰かしら、あんな方とてもたまらないわ。」
「どんな人だ。」
「そうね、何だか六角の顔をしていたわ。遠くからお話したいくせにそれをわざとしないでいるような方なのよ。」
「そういうヤツはよくいるがね、それが女の場合だと余計そんなむら気が起きるもんだ。」
「あの方誰かしら。」
「さあ、作家なんてみな一癖も二癖もあるんだからね、今夜は小説家ばかり集まっていた会だから、いずれその人も小説家らしいね。」
「小説家の方って油断ならないわね。」
「わしだってその油断のならない小説家のはずじゃないか。