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Japanische Klassiker mit Furigana

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〈わがあいするしじんのでんき〉(ほい)

〈我が愛する詩人の伝記〉(補遺)

室生 犀星

Lesen Sie 〈我が愛する詩人の伝記〉(補遺) (〈わがあいするしじんのでんき〉(ほい)) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.167 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

必死の男

わづか三尺の窓内にありて

このあめつちをつかまんと

必死の男あるなり

外にはよその子等あそび

をみなは夕餉にいそがしく

世のさまのふしぎもなし

されど何故に肉を穿ち

骨を削りつくして

紙にインキをちりばめんとするや

をみなは貯金をすすめ

彼は又その魂を千切りつつ

文字を裂きて売らんとすなり

(中略)

ああ あめつち遂に何者ぞ

今の世に千年の詩文あるべしや

秋は方に寒からんとす

佐藤はこどもがほしかったらしい、前の夫人花枝さん(死別)にもこどもがなかった。あとの夫人周子さんにもこどもが出来なかった。佐藤は何度も医院に通い、どうして子供が出来ないかを診て貰ったが、肉体的には異常はない、そのため試験管だか他の方法であったか忘れたが、佐藤は自分の精虫だか精液だかわすれたが、そういうものまで病院で試験してもらったが異常がなかったと、或日彼は私にそれを真面目くさった顔付で話した。周子夫人もついにこどもさんがないまま、佐藤と死別された。私はその折、ふしぎな家庭事情を発見した。

佐藤に妹さんがあり他家に縁づいていたが、そのこどもさんが佐藤の遺言によって惣之助家を相続することになっていて、周子夫人へは雪ヶ谷の自宅を譲渡する以外に、何も与えないことになっていた。