Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんわ

戦話

岩野 泡鳴

Lesen Sie 戦話 (せんわ) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.520 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

並み大抵ではなかった。どうせ、無事に帰るつもりは無いて、細君を離縁する云い出し、自分の云うことを承知せんなら、露助と見て血祭りにする云うて、剣を抜いて追いまわしたんや。」

こう云って、友人は鳥渡僕から目を離して、猪口に手をかけた。僕も一杯かさねてから、

「実際離縁したのか?」

「いや」と、友人は少し笑いを含みながら、「その手つづきは後でしてやると親類の人達がなだめて、万歳の見送りをしたんやそうや。もう、その時から、少し気が触れとったらしい。」

「気違いになったのだ、な?」

「気違い云うたら、戦争しとる時は皆気違いや。君の云い方に拠れば、戦争というものは気違いが死を喰うのか、死が気違いを喰うのか分らん。ずどん云う大砲の音を初めて聴いた時は、こおうてこおうて堪らんのやけど、度重なれば、神経が鈍になると云うか、過敏となるて云うか、それが聴えんと、寂しうて、寂しうてならん。敵は五六千メートルも隔ってるのに、目の前へでも来とる様に見えて、大砲の弾丸があたまの上で破裂しても、よそごとの様に思われ、向うの手にかかって死ぬくらいなら、こッちゃから死ぬまで戦ってやる云う一念に、皆血まなこになっとるんや。