Japanische Klassiker mit Furigana
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げさくざんまい
戯作三昧
Lesen Sie 戯作三昧 (げさくざんまい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.807 Zeichen · 42 Bildschirme
が、孫の太郎は襖を開けるや否や、子供のみが持っている大胆と率直とをもって、いきなり馬琴の膝の上へ勢いよくとび上がった。
「お祖父様ただいま。」
「おお、よく早く帰って来たな。」
この語とともに、八犬伝の著者の皺だらけな顔には、別人のような悦びが輝いた。
十四
茶の間の方では、癇高い妻のお百の声や内気らしい嫁のお路の声が賑やかに聞えている。時々太い男の声がまじるのは、折から伜の宗伯も帰り合せたらしい。太郎は祖父の膝にまたがりながら、それを聞きすましでもするように、わざとまじめな顔をして天井を眺めた。外気にさらされた頬が赤くなって、小さな鼻の穴のまわりが、息をするたびに動いている。
「あのね、お祖父様にね。」
栗梅の小さな紋附を着た太郎は、突然こう言い出した。考えようとする努力と、笑いたいのをこらえようとする努力とで、靨が何度も消えたり出来たりする。――それが馬琴には、おのずから微笑を誘うような気がした。
「よく毎日。」
「うん、よく毎日?」
「御勉強なさい。」
馬琴はとうとうふき出した。が、笑いの中ですぐまた語をつぎながら、
「それから?」
「それから――ええと――癇癪を起しちゃいけませんって。