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Japanische Klassiker mit Furigana

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げさくしゃ

戯作者

国枝 史郎

Lesen Sie 戯作者 (げさくしゃ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.218 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで馬琴は声を掛けて見た。

「おい貴公十返舎ではないか」

「え?」

桶の中の男は酷く驚いた様子であったが、にわかにゲラゲラ笑い出し、

「解ったぞ解ったぞ声に聞き覚えがある。滝沢氏でござろうがな。アッハハハハ、奇遇々々。いかにも手前十返舎一九、冑を脱いでいざ見参! ありゃありゃありゃありゃ、ソレソレソレソレ」

掛声と一緒に据風呂桶を次第に高く持ち上げたが、ヌッと裾から顔を覗かせると、

「一夜明ければ新玉の年、初湯を立てようと存じやしてな、風呂桶を借りて参りやした。そこで何と滝沢氏、明日は是非とも年始がてら初湯を試みにお出かけ下され。確とお約束致しやした。しからばこれにて、ハイハイご免。ありゃありゃありゃありゃ、お隠れお隠れ、血塊々々、ソレソレソレソレ」

ふたたびスッポリ桶を冠るとやがてユサユサと歩き出した。

後を見送った曲亭馬琴は、笑うことさえ出来なかった。あまりに一九の遣り口が彼とかけ離れているからである。

「いやどうも呆れたものだ」

馬琴は静かに歩きながら思わず口へ出して呟いた。

「洒落と奇矯でこの浮世を夢のように送ろうとする。果してそれでよいものだろうか? 今江戸に住む戯作者という戯作者、立派な学者の太田蜀山さえ、そういう傾向を持っている。