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Japanische Klassiker mit Furigana

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てじな

手品

佐左木 俊郎

Lesen Sie 手品 (てじな) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.934 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「祝いの芸は?」

平六はそこで、廊下に上がり、手拭いを鉢巻きにして、面白可笑しく手足を振りながら座敷の中へ這入って行った。万は縁先に立って座敷の中を見廻していたが、平六の出鱈目な踊りが手を叩かれている隙に、七福神の仮装の福禄寿が銀の杯を取って仮装のための夜着の袖の中へ持ち込んだ。万は(野郎! 先手を打っていやがる……)と思って眼をった。

平六の出鱈目な踊りは、酷く受けてしまった。一同は平六から眼を離さなかった。その中で万だけは、仮装の福禄寿の方を視詰め続けていた。すると福禄寿は、またも銀の杯を袖の中に持ち込んだ。その時ちょうど誰かが、万の方に声をかけた。

「次に続く太夫の芸は?」

「はっ! 私しゃ……」

万は、どぎまぎした。何を歌ってよいかわからなかった。それに、(先手を打ってやがるな)と思うと、福禄寿の方が気になって仕様がなかった。

「次の太夫!」

激しい催促が始まった。

「早く始めねえか?」

「私しゃ……私しゃ……私の芸はその……」

万はそう言い淀んでいるうちに、仮装の福禄寿は、銀の杯の三つ目を、袖の中に持ち込んだ。

「私しゃ、芸無し猿でがして、何も出来ねえんでがすが、ただ一つ、手品を知ってますで……」