Japanische Klassiker mit Furigana
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てがみ
手紙
久生 十蘭
Lesen Sie 手紙 (てがみ) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.158 Zeichen · 30 Bildschirme
サウシテどこまでも岸について帆で走り、強い風が吹きだすと、舟を岸にあげて、何日でも休みます。でありますので、海の上で嵐にあうようなことは絶対にありません。
水はマングローブの木からも、アダンの蔓からもとれます。食物はサゴでも、ヤムでも、蟹でも、また、いくらでも魚が釣れますから、食料を積むことはいりません。昼は航海しませんから、暑くて困ることもない。ただ非常に忍耐のいる旅です。普通にやる四倍ぐらいの日数がかかります。なぜなら、昼は休みますからそれで半分、十日のうち五日は風が吹くから、それでまた半分。ほかの船が十日で行くところを、私は四十日かかります。気の短い日本人には、とても我慢がなるまいと思いますといいますと、村上さんは、
「よくわかった。ミミカから先には濠洲軍の哨戒艇がいるが、それはどうするつもりか」とききました。それで私は、
「ソマーセットや木曜島の物資は、みな土人が刳舟でポートモレスビーへ運んでいるのです。私どもの刳舟がその中へ一艘まじっても、ふしぎとは思わないでしょう」といいました。村上さんは、
「そうだなー、うまくゆくかも知れんねー」といいました。