Japanische Klassiker mit Furigana
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てがみ
手紙
久生 十蘭
Lesen Sie 手紙 (てがみ) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.158 Zeichen · 30 Bildschirme
窓にバンダナスの葉が垂れる、薄暗い静かな部屋で、村上さんと私と二人だけで勉強をしました。村上さんは、一日にタッタ一つの言葉しかおしえませんでした。私はソレを読み、仮名で書きますと、それで終りになります。村上さんは、その言葉をよく理解いたすように、しかしながら、私にはすこしもわからないたとえ話を、低いしずかな声で、いつまでも話します。私は葉をすかしてくる青い日光の中でボンヤリし、ときどき眠りながら、それを聞きました。
それから、村上さんは一ヶ建ての宿舎に住むようになり、通訳として部隊からもらう分とべつに、月、三ギルダーで村上さんの食事の世話をしてあげることになりました。通訳見習として、隊から五ギルダーもらいますが、それでは家へ三ギルダーしか送られませんので、村上さんの気に入られて、ほかのインドネシアにこの役をとられたくないと思いました。
隊で私のする仕事は、郡長や村長のところへ行って、住民が山からおりて村へ帰るようにすすめ、また、野菜やニワトリなどを集めさせること、木綿や塩で支払いすること、部隊の布告の説明をして歩くことなどでした。村上さんのほうはいそがしくて、一日中主計科や庶務科や電話室にいて、夜おそく隊から疲れて帰って来ると、すこしばかり物を食べ、サウシテたくさんコッピーを飲みました。