Japanische Klassiker mit Furigana
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うちあけばなし
打あけ話
宮本 百合子
Lesen Sie 打あけ話 (うちあけばなし) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.441 Zeichen · 7 Bildschirme
そのことを仲つぎしている若い人に話したら、その男も「ハア、そうですか。この分のは紙がわるくなっていると矢張りよそさんから苦情が出ております」と小頸を傾けた。二日ばかりして、また来ていうことには、「どうも弱りました。製紙会社が合同して王子へ独占になったような形なので、競争がなくなったもんですから、一般に紙質をわるくしてしまったんだそうです。同じ名や番号の紙でもやっぱり質は下って来ているんで、どうも……」と頸のうしろへ手を当てた。
丸善の原稿紙は紙はよいが、型の小ささやインクの色などがアカデミックで、私たち向きの小説向きでない。きっと益々紙の質は、わるくなる世の中だろうと思っている。
三 きのうの相場
一月の中ごろに、引越しをして小さな家を持った。これまで家を持たなかったわけではないから、いろいろな世帯道具は大体古くからのがあったが、鍋や釜、火箸、金じゃくし、灰ふるい、五徳、やかんの類は、そう大していいものをつかっていた訳もないので、みんなどっかへとんでしまったり、悪くなったりしていて役に立たない。引越しの手伝いをしてくれた女のひとが、さし当りの入用品として、それらの品物を近所でそろえてくれた。