Japanische Klassiker mit Furigana
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そうわ
挿話
徳田 秋声
Lesen Sie 挿話 (そうわ) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.544 Zeichen · 53 Bildschirme
「私も行かれるやらどうやら」お絹も言っていた。
彼女はあいにく二三日鼻や咽喉を悪くして、呼吸が苦しそうであった。腹工合もわるいと言って、一日何んにも食べずに中の間で寝ていたが、昨夜按摩を取ったあとで、いくらか気分がよくなったので、茶の間へ出てきて、思いだしたように御飯を食べていた。
その日になると、お絹は昼ごろ髪を結いに行って、帰ってくると、珍らしくおひろの鏡台に向かっていたが、おひろもお湯に行ってくると、自分の意匠でハイカラに結いあげるつもりで、抱えの歌子に手伝わせながら、丹念に工夫を凝らしていたが、気に入らなかったらしく、しばらくするとまた別の女優髷に結いなおしていた。おひろはお絹に比べると十二三も年が少なかったけれど、髪が薄い方なので、お化粧をするのに時間が取れた。蝋燭を二梃も立てて一筋の毛も等閑にしないように、鬢に毛筋を入れているのを、道太はしばしば見かけた。それと反対で毛並みのいいお絹の髪は二十時代と少しも変わらなかった。ことにも生えぎわが綺麗で、曇のない黒目がちの目が、春の宵の星のように和らかに澄んでいた。芸人風の髪が、やや長味のある顔によく似あっていた。