Japanische Klassiker mit Furigana
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そうわ
挿話
徳田 秋声
Lesen Sie 挿話 (そうわ) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.544 Zeichen · 53 Bildschirme
「さしあたってちょっと触れたくない問題があるんでね。どうせ何とかしなくちゃならないにしても、今は誰にも逢いたくないんだ」道太はあの時病躯をわざわざそのために運んできて、その翌日あの大地震があったのだが、纏めていった姪の縁談が、双方所思ちがいでごたごたしていて、その中へ入る日になると、物質的にもずいぶん重い責任を背負わされることになるわけであった。それを解決したところで、今までのようにルーズな姉の生活と、無能な甥や、虚栄心の強い気儘な姪の性質を、根本的に矯正しない以上、何をしでかすか判らなかった。道太は宿命的に不運な姉やその子供たちに、面と向かって小言を言うのは忍びなかった。それに弱者や低能者にはそれ相当の理窟と主張があって、それに耳を傾けていれば際限がないのであった。
辰之助もその経緯はよく知っていた。今年の六月、二十日ばかり道太の家に遊んでいた彼は、一つはその問題の解決に上京したのであったが、道太は応じないことにしていた。今になってみると、道太自身も姉に担がれたような結果になっているので、人のよすぎる姉に悪意はないにしても、姪の結婚に山気のあったことは争われなかった。