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Japanische Klassiker mit Furigana

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すてご

捨児

芥川 竜之介

Lesen Sie 捨児 (すてご) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.695 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

「どう云う量見か、――それは私も今日までには、何度考えて見たかわかりません。が、事実は知れないまでも、一番もっともらしく思われる理由は、日錚和尚の説教が、夫や子に遅れた母の心へ異常な感動を与えた事です。母はその説教を聞いている内に、私の知らない母の役を勤める気になったのじゃありますまいか。私が寺に拾われている事は、当時説教を聞きに来ていた参詣人からでも教わったのでしょう。あるいは寺の門番が、話して聞かせたかも知れません。」

客はちょいと口を噤むと、考え深そうな眼をしながら、思い出したように茶を啜った。

「そうしてあなたが子でないと云う事は、――子でない事を知ったと云う事は、阿母さんにも話したのですか。」

私は尋ねずにはいられなかった。

「いえ、それは話しません。私の方から云い出すのは、余り母に残酷ですから。母も死ぬまでその事は一言も私に話しませんでした。やはり話す事は私にも、残酷だと思っていたのでしょう。実際私の母に対する情も、子でない事を知った後、一転化を来したのは事実です。」

「と云うのはどう云う意味ですか。」

私はじっと客の目を見た。

「前よりも一層なつかしく思うようになったのです。