Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんしゅうへいや

播州平野

宮本 百合子

Lesen Sie 播州平野 (ばんしゅうへいや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.683 Zeichen · 214 Bildschirme

Aozora Bunko

鉄道省の規則がそうだから、その規則通りにしなければならないんです」

「いいじゃねえか。どうせこんな滅茶苦茶な世の中になっちまって、今更二等も、へったくれもあるもんか」

「こんな世の中になったから、なお更キチンとしなけりゃならないんです。勅語は何のために出たんです!」

ひろ子は、乗り合わせたこの列車が、ただの列車でなかったことを知った。これは明らかに一種の潰走列車である。

斜隣りの海軍士官がどこかへ立って行って帰って暫くすると、再び車掌が入って来た。荷物をまたぎまたぎ来て、その若い士官の横に立った。

「じゃ二百八十三円頂きます」

大股をひらいて座席にかけたままむっとした面持で、蒼い顔の若い士官は大きい紙幣入れをひらき、新しい十円札をつかみ出すようにして車掌に渡した。その代りとして紙片がかえされた。

「これで事務が片づきましたから申しますが、さっきの雑言は、あれは、どういうわけです」

ぎごちなく神経のこわばった若い士官は、こんな情況になることとは予想もしなかったらしく、剣相な上眼づかいで、低く何か答えた。

「生意気だ、気にくわんとおっしゃるが、私のどこに生意気な挙動がありました。