Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Lesen Sie 播州平野 (ばんしゅうへいや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.683 Zeichen · 214 Bildschirme
そういう気配が感じられた。そしてその能面の表情には、微塵も明日の閃きが感じられなかった。
名古屋を過ると、通路まで汗と塵にまみれた復員者とその荷物で溢れて来た。
はじめ元気に冗談も云っていた片脚の傷痍軍人は、列車が次第に目的地へ近づくにつれて何となし沈みがちに落付きを失って来た。京都に妻子が疎開していた。二年ぶりで帰る体を先ずそこに休めようという計画なのであった。
「電報がうまくついていればいいんだが――」
ひろ子をかえりみて、
「この節の電報は二日じゃあぶないでしょう」ときいた。
「よっぽど工合がよくないとね」
東北の町から、鮎沢のうちへ打った電報は、ひろ子が到着して、次の日まで逗留している間にさえ配達されなかった。
「弱ったな。荷物さえなけりゃ何とかなるんだが」
網棚の上の大きい義足の木箱を見上げた。
「お降りになるとき位、みんながお手つだいしますよ。駅のひとだって放っておかないんだし。――荷物は一時あずけにして、あとからとりに来ておもらいになれば」
「どうもすみません。じゃ、そうでもするか」
頭へ一寸手をやって、神経質に笑った。
「何しろ、はじめて社会へ出たもんで――これで病院にいた間は、同じような野郎ばっかりですから、何の脚一本ぐらいっていうわけで、物凄い景気なんですが……どうも」