Japanische Klassiker mit Furigana
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そうしゅ
操守
豊島 与志雄
Lesen Sie 操守 (そうしゅ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.418 Zeichen · 20 Bildschirme
岡野は泊っていくことはめったになかった。酒にも余り酔わなかった。けれど吉乃の方が、それこそ「ほんとに不思議に、思いがけなく、」酔っ払うことがあった。そしてそんな時、なぜともなく、「可哀そう」な気がするのだった……。
其他のことは、女中にも分らなかった。
岡野の好きな奥の階下の六畳というのは、昼間は薄暗くて、窖のような感じだったが、小さな池に寒山竹と南天をあしらった、狭い二坪か三坪の中庭に臨んで、一寸した濡縁がついていた。
笹の葉のそよぎに、二人は黙って聴き入ることがよくあった。
聴きようで、哀切にも響く、無常にも響く、楽しくも響く……。岡野は涙ぐんだ眼付で、吉乃のなごやかな姿を眺めている。許してくれ! そんな声が胸の底から起ってくる。……許してくれ! 僕は汚れてるんだ。汚れた身体を、君のところへ運んできた。やはり、淋しかったんだ。たまらなく惨めだったんだ。君の側で、心から憎んでやる、呪ってやる、あの女を、澄代を……。この気持、君には分らないんだ。つまりは同じだと! 嘘だ、嘘だ。××××と××××と……理窟はそうでも、それが、ちがうんだ。僕のこの惨めな気持は、どこから来るんだ。