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Japanische Klassiker mit Furigana

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そうしゅ

操守

豊島 与志雄

Lesen Sie 操守 (そうしゅ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.418 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

それが、愛慾の気などみじんもなく、清浄と云えるほど冷かな、大理石の彫像のようだった……。

吉乃は少し身を引いて、固くなっていた。そして、不似合な長い溜息をもらした。

「酒をのんで、騒ぐといいわ。……何か弾きましょうか……あやしいんだけれど……。」

岡野は夢からさめたように、彼女の顔を眺めた。彼女の眼がちらと、極り悪そうに光った。それが彼の顔を輝かした。

「そう、飲もう。酔っ払ってもいいね。……そして、誰か、……君の好きな人でも呼んだら……。」

「いいの、ほんとに……。」

気懸りそうに彼女は笑った。

「じゃあちょっと、聞いてくるわ。」

そして彼女が立っていくと、岡野はじっと眼を据えていたが、急に、卓子の上につっ伏してしまった。

その頃のことを「青柳」の女中は、一寸不審そうに眼にとめた。

元気な精力的だった岡野の顔が、肉薄く痩せて、色艶がなくなり、陰欝な影をたたえて、それでいて妙に蒼白く冴えて見えた。その顔をなお引緊めて、ひどく真面目くさい様子でやって来た。以前は人の気につかなかった鼈甲緑の眼鏡が、不調和に目立った。度は低そうだが、その眼鏡の奥に、彼は視線を隠すようにしていた。