Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぎたい

擬体

豊島 与志雄

Lesen Sie 擬体 (ぎたい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.945 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

愛情でも情慾でもなかった。ただ泥酔したためだった。二人は会社でも、互に親しい素振は見せず、却って白々しい態度をした。だが、さすがに青木は、巻子のことが気になって、落着かない気持ちだった。引緊った細そりした顔立ちに、近眼鏡の奥から眼を光らして、何喰わぬ様子をしてる彼女のうちに、独身の中年女の図々しさを見る気がした。

それから二週間ばかりたった頃、青木は巻子と連れ立って帰りかける羽目になった。街路に出ると、今晩も飲みにいらっしゃるの、と巻子が聞いた。頷くと、わたしもついて行っていいかしら、と言った。何か話があるのかも知れないと思って、青木は彼女を連れて知り合いの居酒屋へ行った。別に話もなかったが、酒が廻って来ると、巻子は頬笑んで囁いた。

「石村さんへの面当て、あれっきりなの。」

何を言うか、と青木は思ったが、その憤りのため、却って後へは引けなくなった。

二人は喜久家へ行って、また泥酔し、泊りこんでしまった。前の時と同様、味気ない一夜だった。翌朝、巻子は言った。

「こういう保養も、たまにはいいわね。」

その冷淡な言葉に、青木は見事に仇を打たれた気がした。