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Japanische Klassiker mit Furigana

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はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

Lesen Sie 支倉事件 (はせくらじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 204.697 Zeichen · 406 Bildschirme

Aozora Bunko

汚いのなんのって、珍しく汚いのですから、そのお積りで」

二階裏の一室は立てば忽ち頭を打つような窮屈さだった。剥出しの曲りくねった垂木には一寸程も埃が積もっていた。

「支倉の奴ですかい」

石子刑事が切り出すと彼は忽ち大声を出した。

「旦那、あんな悪党はありませんぜ。あれが耶蘇の説教師だていから驚きまさあ」

「支倉にいた親類の娘さんが行方不明になったそうだね」

「えゝ、あの野郎め、未だやっと十六になった許りの姪を手籠めにしやがって、挙句の果にどっかへ誘き出して殺して終いやがったんでさあ」

定次郎の放言には石子刑事も驚いた。

「オイ/\、声が大きいぜ、滅多な事を云うなよ」

「へえ、すみません。実はわっちの方にも之と云う手証がねえもんですから、仰せの通り大きな声は出せねえのです。少しでも証拠がありゃ、今まで黙っちゃいないのです。

一体兄貴が意気地がねえもんだから、現在の娘をあんな眼に遭わされて、運命だ、いや荒立てゝは身の恥だなんて、中学校の先生なんてものはみんなあんなもんですかねえ。だから、あっしゃ見ちゃいられねえのです。姪を元の身体にして返せとまあ、旦那、談判に出かけたもんです。