Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうろう
放浪
織田 作之助
Lesen Sie 放浪 (ほうろう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.399 Zeichen · 47 Bildschirme
筍を渡すと、三十円呉れた。腹巻の底へしっかりいれて、ちょいちょい押えてみんことにゃと金造にいわれたことを思い出し、そのようにした。ふと、これだけの金があれば大阪へ行ってまむしや鮒の刺身がくえると思うと、足が震えた。空の車をガラガラひいて岸和田の駅まで来ると、電車の音がした。車を駅前の電柱にしばりつけて、大阪までの切符を買い、プラットフォームに出た。電車が来るまで少し間があった。そわそわして決心が鈍って来るようで、何度も便所へ行きたくなった。便所から出て来ると電車が来たのであわてて乗った。動き出してうとうと眠った。車掌に揺り動かされて眼を覚すと、難波ア、難波終点でございまアーす。早う着いたなアと嬉しい気持で構内をちょこちょこ走り、日射しの明るい南海道を真っ直ぐ出雲屋の表へかけつけると、まだ店が開いていなかった。千日前は朝で、活動小屋の石だたみがまだ濡れていた。きょろきょろしながら活動写真の絵看板を見上げて歩いた。首筋が痛くなった。道頓堀の方へ渡るゴーストップで交通巡査にきびしい注意をうけた。道頓堀から戎橋を渡り心斎橋筋を歩いた。一軒一軒飾窓を覗きまわったので疲れ、ひきかえして戎橋の上で佇んでいると、橋の下を水上警察のモーターボートが走って行った。