Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうろう
放浪
織田 作之助
Lesen Sie 放浪 (ほうろう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.399 Zeichen · 47 Bildschirme
なんや阿呆らしいと思ったが、しかし毛布を取り戻す勇気は出なかった。中毒で人一人殺したのだから、最悪の場合は死刑だとふと思いこむと、順平はもう一心不乱に南無阿弥陀仏、と呟いていた。そんな順平を山菓子盗りは哀れにも笑止千万にも思い、河豚料理で人を殺した位で死刑になってたまるものか、悪く行って過失致死罪……という前例も余り聴かぬから、結局はお前の主人が営業停止をくらう位が関の山だろうと慰めてくれ、今はこの人が何よりの頼りだった。
都亭の主人はしかし営業停止にならなかった。そんな前例を作れば、ことは都亭一軒のみならず、温泉場の料理屋全体が汚名を蒙ることになり、ひいてはここで河豚を食うなと喧伝され、市の繁栄に影響するところが多いと都亭の主人は唱えて、料理店組合を動かした。そして、問題は都亭の主人の責任といえば無論いえるが、しかし真のそして直接の原因はルンペン崩れの追い廻しの順平にあることは余りにも明白だ。そんな怪しい渡り者に河豚を料理させたというのも、河豚料理が出来るという嘘を真に受けただけであって、真に受けたのは不注意というよりも寧ろ詐欺にかかったというべきだと彼は必死になって策動した。