Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうろう
放浪
織田 作之助
Lesen Sie 放浪 (ほうろう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.399 Zeichen · 47 Bildschirme
叔母の家についた。眩い電灯の光でさまざまな人に引き合わされたが、耳の奥がじーんと鳴り、人の顔がすッーと遠ざかって小さくなったり、急にでっかく見えたり、さすがに呆然としていた。しッかりしよと下腹に力をいれると差し込んで来て、我慢するのが大変だった。香典返えしや土産物を整理していた叔母が、順ちゃんよ、お前の学校行きの道具はときくと、すかさず、ここにあら。信玄袋から取出してみせ、はじめて些か得意であった。然るに「ここにあら」がおかしいと嗤われて、それは叔母の娘で、尋常一年生だから自分より一つ年下の美津子さんだとあとで知った。美津子は虱を湧かしていてポリポリ頭をかいていたが、その手が吃驚するほど白かった。
遅い夕飯が出された。刺身などが出されたから、まごついて下をむいたまま黙々とたべ終り、漬物の醤油の余りを嘗めていると、叔母は、お前は今日から丸亀のぼんぼんやさかいそんなけちんぼな真似せいでもええといい、そして女中の方を向いてわざとらしい泪を泛べた。酒をのんでいた叔父が二こと三こと喋ると叔母は、猫の子よりましだんがナと云った。ふんと叔父はうなずいて、しかしえらい痩せとるなアと云った。