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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほうろうのやど

放浪の宿

里村 欣三

Lesen Sie 放浪の宿 (ほうろうのやど) von 里村 欣三 (さとむらきんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.066 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

そして『ふうーッ』と、感嘆の吐息をついた。虱をつぶした男と、大連から来た青年が、水を汲んだり、薪を拾い集めたりしていた。

またしても、近所中の子供が、木の枝によじ、窓にぶらさがって、あるいはドア一杯に押し寄せて、好奇心に燃える眼を瞠って、この野人達の獰猛な料理に片唾をのんでいた。

「うるさい!」

ふいと、出し抜けに支那服がこう叫ぶと、叩き切った犬の首を、子供の群に力一杯投げつけた。

「わあッ!」

子供たちは、一目散に逃げ散った。そして臆病そうに、この光景を遠巻きにした。

「犬殺し」

と、口々に罵りつづけていたが、やがてその怒罵が「お坊さんだ! お坊さんだ!」と、囁き声にかわると、安心しきって、またしても子供の群が、坊主と一緒にドアに溢れ込んだ。坊主が、そこに現れる前に、癇癪の方がさき走って来たような具合に、坊主はその無精たらしい面をドアに覗けないうちから、

「無茶だ。無茶だ。まるで畜生道だ!」と、喚めき込んで来た。

「出て行け! 出て行け! 出て行って貰おう。お前たちを一刻もここにおいておく訳には参らぬ」

お坊さんは劇しい逆上で、息切れがしてしょうがないように、眼と鼻と口で一緒くたに息を吸い込んだ。