Japanische Klassiker mit Furigana
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せいだんじゅうにそう
政談十二社
泉 鏡花
Lesen Sie 政談十二社 (せいだんじゅうにそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.626 Zeichen · 48 Bildschirme
その癖雲霧が立籠めて、昼も真暗だといいました、甲州街道のその峰と申しますのが、今でも爺さんが時々お籠をするという庵がございますって。そこは貴方、府中の鎮守様の裏手でございまして、手が届きそうな小さな丘なんでございますよ。もっとも何千年の昔から人足の絶えた処には違いございません、何蕨でも生えてりゃ小児が取りに入りましょうけれども、御覧じゃりまし、お茶の水の向うの崖だって仙台様お堀割の昔から誰も足踏をした者はございませんや。日蔭はどこだって朝から暗うございまする、どうせあんな萌の糸瓜のような大きな鼻の生えます処でございますもの、うっかり入ろうものなら、蚯蚓の天上するのに出ッくわして、目をまわしませんければなりますまいではございませんか。」と、何か激したことのあるらしく婆さんはまくしかけた。
十
一息つき言葉をつぎ、
「第一、その日清戦争のことを見透して、何か自分が山の祠の扉を開けて、神様のお馬の轡を取って、跣足で宙を駈出して、旅順口にわたりゃあお手伝でもして来たように申しますが、ちっとも戦のあった最中に、そんなことが解ったのではございません。