Japanische Klassiker mit Furigana
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せいだんじゅうにそう
政談十二社
泉 鏡花
Lesen Sie 政談十二社 (せいだんじゅうにそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.626 Zeichen · 48 Bildschirme
気味を悪がらせまいとは申しませんでしたが、ああこの女は飛んだことをおしだ、外のものとは違ってあのけたい親仁。
蝮の首を焼火箸で突いたほどの祟はあるだろう、と腹じゃあ慄然いたしまして、爺はどうしたと聞きましたら、
(いいえ、やっぱりむずむずしてどこかへ行ってしまいました、それッきり、さっぱり見かけないんですよ。)と手柄顔に、お米は胸がすいたように申しましたが。
なるほど、その後はしばらくこの辺へは立廻りません様子。しばらく影を見ませんから、それじゃあそれなりになったかしら。帳消しにはなるまいと思いながら、一日ましに私もちっとは気がかりも薄らぎました。
そういたしますと今度の事、飛んでもない、旦那様、五百円紛失の一件で、前申しました沢井様へ出入の大八百屋が、あるじ自分で罷出ましてさ、お金子の行方を、一番、是非、だまされたと思って仁右衛門にみておもらいなさいまし、とたって、勧めたのでございますよ。
どうして礼なんぞ遣っては腹を立って祟をします、ただ人助けに仕りますることで、好でお籠をして影も形もない者から聞いて来るのでございます、と悪気のない男ですが、とかく世話好の、何でも四文とのみ込んで差出たがる親仁なんで、まめだって申上げたものですから、仕事はなし、新聞は五種も見ていらっしゃる沢井の奥様。