Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいだんじゅうにそう

政談十二社

泉 鏡花

Lesen Sie 政談十二社 (せいだんじゅうにそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.626 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

土間一ツ隔てたそれなる母屋の中二階に引越したのであった。

中二階といってもただ段の数二ツ、一段低い処にお幾という婆さんが、塩煎餅の壺と、駄菓子の箱と熟柿の笊を横に控え、角火鉢の大いのに、真鍮の薬罐から湯気を立たせたのを前に置き、煤けた棚の上に古ぼけた麦酒の瓶、心太の皿などを乱雑に並べたのを背後に背負い、柱に安煙草のびらを張り、天井に捨団扇をさして、ここまでさし入る日あたりに、眼鏡を掛けて継物をしている。外に姉さんも何も居ない、盛の頃は本家から、女中料理人を引率して新宿停車場前の池田屋という飲食店が夫婦づれ乗込むので、独身の便ないお幾婆さんは、その縁続きのものとか、留守番を兼ねて後生のほどを行い澄すという趣。

判事に浮世ばなしを促されたのを機にお幾はふと針の手を留めたが、返事より前に逸疾くその眼鏡を外した、進んで何か言いたいことでもあったと見える、別の吸子に沸った湯をさして、盆に乗せるとそれを持って、前垂の糸屑を払いさま、静に壇を上って、客の前に跪いて、

「お茶を入替えて参りました、召上りまし。」といいながら膝近く躙り寄って差置いた。

判事は欄干について頬を支えていた手を膝に取って、