Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶんげいのてつがくてききそ
文芸の哲学的基礎
Lesen Sie 文芸の哲学的基礎 (ぶんげいのてつがくてききそ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.519 Zeichen · 98 Bildschirme
普通に知れ渡った因果の法則もこの通りであります。だからすべてこれらに存在の権利を与えないと吾身が危ういのであります。わが身が危うければどんな無理な事でもしなければなりません。そんな無法があるものかと力味でいる人は死ぬばかりであります。だから現今ぴんぴん生息している人間は皆不正直もので、律義な連中はとくの昔に、汽車に引かれたり、川へ落ちたり、巡査につかまったりして、ことごとく死んでしまったと御承知になれば大した間違はありません。
すでに空間ができ、時間ができれば意識を割いて我と物との二つにする事は容易であります。容易などころの騒ぎじゃない。実は我と物を区別してこれを手際よく安置するために空間と時間の御堂を建立したも同然である。御堂ができるや否や待ち構えていた我々は意識を攫んでは抛げ、攫んでは抛げ、あたかも粟餅屋が餅をちぎって黄ナ粉の中へ放り込むような勢で抛げつけます。この黄ナ粉が時間だと、過去の餅、現在の餅、未来の餅になります。この黄ナ粉が空間だと、遠い餅、近い餅、ここの餅、あすこの餅になります。今でも私の前にあなた方が百五十人ばかりならんでおられる。