Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶんげいのてつがくてききそ
文芸の哲学的基礎
Lesen Sie 文芸の哲学的基礎 (ぶんげいのてつがくてききそ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.519 Zeichen · 98 Bildschirme
そこでこれから御話しをするのは私の当時の感じを解剖した所であります。
沙翁の方から述べますと――あの句は帝王が年中(十年でもよい、二十年でもよい。いやしくも彼が位にある間だけ)の身心状態を、長い時間に通ずる言葉であらわさないで、これを一刻につづめて示している。そこが一つの手際であります。その意味をもっと詳しく説明するとこうなります。uneasy(不安)と云う語は漠然たる心の状態をあらわすようであるが実は非常に鋭敏なよく利く言葉であります。例えば椅子の足の折れかかったのに腰をかけて uneasy であるとか、ズボン釣りを忘れたためズボンが擦り落ちそうで uneasy であるとか、すべて落ちつかぬ様子であります。もちろん落ちつかぬ様子と云うのは、ある時間の経過を含む状態には相違ないが、長時間の経過を待たないで、すぐ眼に映る状態であります。だからこの uneasy と云う語は、長い間持続する状態でも、これを一刻もしくは一分に縮めて画のようにとっさの際に頭脳の裏に描き出し得る状態であります。
ある人はこう云って、私の説を攻撃するかも知れぬ。――なるほど君の云うような uneasy な状態もあるかも知れない。