Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶんげいのてつがくてききそ
文芸の哲学的基礎
Lesen Sie 文芸の哲学的基礎 (ぶんげいのてつがくてききそ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.519 Zeichen · 98 Bildschirme
根本的に云うと失礼な申条だがあなた方は私を離れて客観的に存在してはおられません。――私を離れてと申したが、その私さえいわゆる私としては存在しないのだから、いわんやあなた方においてをやであります。いくら怒られても駄目であります。あなた方はそこにござる。ござると思ってござる。私もまあちょっとそう思っています。います事は、いますがただかりにそう思って差し上げるまでの事であります。と云うものは、いくらそれ以上に思って上げたくてもそれだけの証拠がないのだから仕方がありません。普通に物の存在を確めるにはまず眼で見ますかね。眼で見た上で手で触れて見る。手で触れたあとで、嗅いでみる、あるいは舐めてみる。――あなた方の存在を確めるにはそれほど手数はかからぬかも知れぬが。けれども前にも申した通り眼で見ようが、耳できこうが、根本的に云えば、ただ視覚と聴覚を意識するまでで、この意識が変じて独立した物とも、人ともなりよう訳がない。見るときに触るるときに、黒い制服を着た、金釦の学生の、姿を、私の意識中に現象としてあらわし来ると云うまでに過ぎないのであります。これを外にしてあなた方の存在と云う事実を認めることができようはずがない。