Japanische Klassiker mit Furigana
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
Lesen Sie 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.671 Zeichen · 149 Bildschirme
」と、自分のとなりに坐らせました。無論、幾たびも辞退したのですけれども肯きません、子分たちは無理無体に六三郎の手を取って、親分のとなりの席へ押しすえたので、もう逃げることも出来ません。ただ、蒼くなって小さくなって、行儀よく坐っていますと、吉五郎は「わたしは鰍沢の吉五郎という者だ。お前たちが今度こっちへ乗り込んでたいそう評判がいいというのを聞いて、わたしも蔭ながらよろこんでいる。一度は逢って懇意になって置きたいと思っていたんだが、いろいろ野暮な用があったので、きょうまで延引してまことに済まなかった。なにしろ、今夜はよく来てくれた。おれ達のようなケチな野郎でも又何かの役に立つことがねえとも限らねえ。これからは心安く付き合ってもらおうぜ。」と、まあこんな挨拶をして、六三郎に大きな杯をさしたそうです。六三郎は子供で、しかも下戸ですから一生懸命に固くなって頻りに辞退すると、それじゃあ味淋酒でもやれというので、子分が大きな徳利を持ち出して来ました。味淋だって同じことです。この場合、酒も味淋も湯も茶も、なんにも喉へは通らないのですけれども、折角そういうもんですから、六三郎は仕方なしに味淋の杯をひと口なめて下に置きました。